プログラマ1人で始めるゲーム製作

 プログラマ一人だけでは、いまどきのゲームに必要な要素を完成させることが残念ながらできません。
 黎明期(80年はじめ?)のゲームであれば、プログラマ一人でゲームの必須要素のほとんどを作ることができました。というより、プログラマ無しにゲームを作ることは不可能でした。それに対して、今のゲームはプログラマの重要性というのは相対的に低下しつつあるように思います。ジャンルによっては、プログラマが居なくてもゲームを完成させることも可能になっています。そんな現状の中で、プログラマ一人だけでゲームを完成させるためにはどうすればいいかを考えましょう。
 ここでは、Webでメンバーを募り、チーム開発することは考慮しません。実際に顔を合せたことがない人同士で、フリーウェアのゲームソフトを無報酬で作ることは非常に難しいことが経験上わかっています。人任せにすると、大抵は完成しません。

 ソフトウェアを完成させるためには、制約をはっきり理解することが必要だと思います。時間的な制約、技術的な制約、人的な制約などです。ゲームの構想を練るのはけっこう楽しいもので、うっかり妄想の世界で構想をどんどん大きくしてしまいがちです。大きな風呂敷を広げるのは結構なことですが、それを完成させることができなければ、単なる絵に描いた餅になってしまいます。夢が無いようですが、自分にできることは何なのかをしっかり把握する必要があるでしょう。ゲームデザインでは、各種の制約を考慮して、実現可能な範囲内で面白いものを作るための設計をする必要があります。
 今回の場合、エントリのタイトル通り、人的な制約は明確です。1名(自分)だけで完成させる必要があります。また、時間的な制約もおのずと決まってきます。経験上、私が1つのプロジェクトを集中して継続できるのは、3ヶ月から半年といったところです。それ以上時間が掛かるようであれば、たいてい完成せず飽きてしまいます。何年かけたとしても、こだわりぬいて素晴らしいものを作ったほうがいいという考え方もあるかとは思いますが、趣味の領域でやっていることに対して、何年も変わらず情熱を注ぎ続けられるほど、人間の意志というのは強くないということを理解しておく必要があると思います。よって、半年程度で完成させられる範囲内でプランを立てる必要があります。土日の休みの日に数時間しかまとまった時間はとれないことを考慮すると、土日にそれぞれ8時間づつ作業したとすれば、週に16時間、月で64時間しか確保できません。半年では384時間です。人月で言えば2.4人月です。技術的な制約については、ゲームのデザインに大きくかかわる部分なので、また今度書こうと思います。

 プログラマ一人で作り上げるためには、ゲームリソースの確保が制限されます。また、ゲームリソースに頼る部分が多いゲームジャンルは、作ること自体が不可能になります。たとえば、最近のFFみたいなすげーCGのゲームを作ろうと思ったって、プログラマだけいても不可能ですよね。
 ソースリソースとなんども繰り返し書いてましたが、リソースはどんなものがあるでしょうか?

  • グラフィックス(2Dまたは3Dのテクスチャ)
  • 3Dモデル
  • 音楽、SE
  • シナリオ

こんなところでしょうか。
上記のリソースはネットから入手できる素材と、自力で作れる範囲でなんとかしなければなりません。逆に、プログラムについてはそれなりに難しいこともいろいろできる前提とします。

以前はシューティングゲームを作成するために、

なんかを作ったりしました。しかし、シューティングゲームに必要なグラフィックスの素材は、ネットではなかなか無いんですよね・・・。シューティングゲームというジャンルについても爽快感を得るためには、グラフィックスの要素が重要なんです。グラフィックスを用意できず、製作に行き詰ってしまった経緯があります。無いものは仕方ないです。この際、シューティングゲームを作ることはあきらめることにしましょう。

 STG用の素材はあまり見かけない反面、PRGツクールが売れたおかげで、PRG用の素材はかなりの数をネット上で見ることができます。これらをうまく使って、ゲームを作ることを考えてみます。PRG用の素材ですので、純粋なPRGを作れば上のような素材をうまく活用できますが、シナリオの比重が大きいジャンルになっちゃいますし、プログラム的に面白みがありません。プログラムをわざわざ組まなくても、PRGツクールでつくればいいやん、っていう話になっちゃいますからね。じゃあ、どうしよう、という話なんですが、どんなジャンルならプログラマの出番があって、ネット上の素材を生かせるかなんですけど、アクションRPGならいいかもしれませんね。
若干ですけど、プログラムにおける比率が大きいですので(まあ、最近だとアクションPRGもツクールで作れるみたいなんですが・・・)。

 というわけで、例を挙げれば「イース」みたいなのを作ってみようかと思います。以前に、作ったSTG用のフレームワークを、アクションPRG向けにカスタマイズしてみようかと思います。ゲーム関する仕様書は、googleドキュメントで書いて、Webで公開していきます。あと、エミュレータ(ixpce)については、ちゃんと開発してますんで、ご心配無く。