プログラマ1人で始めるゲーム製作 - レベルデザイン
イースタイプのアクションPRGをプログラマ1名だけで製作するという話です。
前回のエントリで、ゲームデザインを決定する際には、人的制約、時間的制約、技術的制約をよく把握しておく必要があるということを書きました。今回はプロジェクトの規模感は、プログラマ1名、期間半年、工数は2.4人月という数値が見えてきました。では、その数値を踏まえて、技術的な制約について検討してみようと思います。
- このゲームの総プレイ時間は?
- イベント数は?
- 最終レベルは?
- 敵キャラの種類は?
このゲームの総プレイ時間は?
まだゲームの具体的内容が決まってませんが、ゲームの総プレイ時間を考えます。というのは、製作に掛けられる工数が2.4人月しかありませんので、ゲーム内容を充実させることにも限界があり、その結果総プレイ時間にも限界があるからです。プレイ時間100時間の大作をその工数で作るのは無理があるのは、感覚的に無理なのは誰でも分かりますよね。仮にそれぐらいのプレイ時間が必要とされるゲームを、しかもアクションPRGというジャンルで、その短期間で作ったとすれば、内容がスカスカなのに鬼のような敵遭遇率&さっぱり上がらないレベルで時間稼ぎするだけ、ということになっちゃいます。
総プレイ時間は、仮に「8時間」として話を進めます。この数字は後から調整します。
イベント数は?
ときどき発生するイベントは、プレイヤーにどきどき感を演出するために重要です。重要イベントというと、たとえばボス戦などもそれに含まれると思います。ゲームプレイの30分に1回程度、重要なイベントが発生すればプレイヤーは飽きずにテンポよくゲームを遊ぶことができるでしょう。ということは、総プレイ時間を8時間に設定したので、重要イベントの総数は16個ということになります。内、2個がオープニングとエンディングです。
最終レベルは?
平均的なプレイヤーがラストボスを倒す平均的レベルを設定します。とりあえずLV45ぐらいとしておきます。
最大LVは50で、最大EXPは999999とします。これはあくまで暫定的な数値です。総プレイ時間を8時間と定めましたので、レベルアップの時間的間隔も決まってきます。レベルアップの時間的間隔というのは、普通の速度で敵を倒しながらゲームを進行させた場合に、何分に1回レベルが上がるか?ということです。8時間は480分なので、480を平均最終レベルの45で割ると10分40秒という数字がでます。普通にゲームで遊んだとすれば、10分40秒に一度レベルアップするわけです。
10分40秒で1レベル上げるためには、敵を何匹倒さないといけないか、ということも計算できますね。イースタイプのアクションPRGなので、感覚的には20秒に1匹ぐらいの敵を倒す感じでしょうか。20秒に1匹だとすれば、1レベル上げるまでに、敵を31匹倒せばいい計算です。となれば、敵1匹の持っているEXPもだいたい決まってきますね。
敵キャラの種類は?
敵キャラの種類は、少なければ単調になってしまいますし、多すぎるとユーザーが把握できなくなり、戦略性が落ちてしまいます。総イベント数を16個と決めましたが、ストーリー的なイベントとボス戦イベントが交互に発生するような展開を仮定すると、ラスボスと中ボスを含めて、ボス数は8匹になります。
- オープニング
- フィールド1
- ボス
- ストーリー的なイベント
- フィールド2
- ボス
- ストーリー的なイベント
- フィールド3
- ボス
- ストーリー的なイベント
- フィールド4
- ボス
- ストーリー的なイベント
- フィールド5
- ボス
- ストーリー的なイベント
- フィールド6
- ボス
- ストーリー的なイベント
- フィールド7
- ボス
- ボス
- エンディング
全体的な進行は上の様な感じです。
ボスを倒すごとに、ストーリーが進行してフィールドマップも新しい場所になりますので、フィールド数は7個ということになります。そこで敵キャラも入れ替えてやる必要性が出てきます。各フィールドマップをうろつく敵キャラは、それぞれ5種類とすると、全体の敵キャラの種類は、35種類となります。
必要なリソースは?
ここまで出てきた大まかな数値から、必要なリソースの数が求まります。
次回は、そのリソースが用意できるのか?という観点で書いてみようと思います。